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【海外CM】世界中が泣いたタイの携帯電話会社CM(2013年)

タイの携帯電話会社「TrueMove」のCMです。

泣けるCMとして、世界中で話題となりました。

 

ストーリーの概要は以下の通りです。

店で薬と栄養ドリンクを万引きした少年を女性店主が問い詰める。その様子を見ていた向かいの食堂の主人が間に入って、少年に万引きした訳を聞くと、病気の母にあげたいためだった。やりとりを見ていた向かいの食堂の主人は、少年が盗んだ商品の代金を女店主に支払い、自分の店の野菜スープを持たせて少年を解放する。彼は、物乞いが訪れると店の食事を与える慈悲深い人物だった。

30年後、その店主が、店で倒れる。そして・・・

この後のストーリーはCMをご覧ください。3分ほどの長編CMです。

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私がこのCMを見たとき、感動したと同時に、タイに仕事に行った際に、多くのタイ人が信じていることについて教えてもらったことを思い出しました。

私は、タイ滞在中にとてもお世話になったビジネスウーマンがいました。

ビジネスは脇に置いて、このビジネスウーマンは食事を振舞ってくれたり、色々とタイについて丁寧に教えてくれたりした。別れ際にはお土産までくれました。

私は、このビジネスウーマンに、「なぜ、ここまでしてくれるのか?」と尋ねました。

その問いに、このビジネスウーマンは答えました。

タイの人は仏教徒で、タイ人は人に良いことをすれば、それは将来自分に良いことが返ってくると信じている。逆もしかり。

この価値観を聞くと、この携帯電話会社のCMは、多くのタイ人に違和感なく受け入れられるストーリーなんだなと思いました。

 

なお、このCMは、ある実話を元に作れらました。

アメリカのハワード・ケリー(1858-1943)という産婦人科医の実話が元になっています。ケリーさんは、アメリカを代表する医学校であるジョンズ・ホプキンス大学の創設メンバーの一人だった有名な医師です。


ケリーさんの話は、次の通りです。

ある貧しい少年が、空腹で苦しみ、食べ物を恵んでもらうために1軒の家を訪れました。

しかし、その家から出てきたのは若い女性でした。少年は恥ずかしくなって、食べ物の代わりにコップ1杯の水を頼みました。女性は事態を察して、大きなコップ1杯の牛乳を与えました。

少年が、いくら払えばよいかと尋ねると、女性は「私は母から、親切な行いへのお金を受け取ってはいけないと教えられた」とお金を受け取ることはしませんでした。

それから数十年後、その女性は重病を患っていました。女性の病気は非常に珍しく、治療のためにアメリカ全土から専門の医師たちが呼ばれた中に、ハワード・ケリーさんがいました。

彼は、女性が住む町の名を知ると、全力で治療に当たりました。その結果、無事に難病を克服して、女性は元気になりました。

女性が退院した数日後、請求書が自宅に届いきました。女性は支払いに一生かかるような高額であることがわかっていましたが、そこには「コップ1杯の牛乳によって支払い済み。Dr. Howard Kelly」と書かれていました。

ケリーさんは、数十年前に女性がミルクを与えた少年だったのです。